紀伊半島産木材からOA用紙製造プロジェクト
紀伊半島産木材からOA用紙製造プロジェクト
事業実施時期 | 2010年9月〜2011年3月 |
---|---|
事業名 | 紀伊半島産木材からOA用紙製造プロジェクト |
発注主 | 自主事業(林野庁補助事業:山村再生プロジェクト 補助金) |
共同実施主体 | NPO紀伊半島の美しい森林づくり協議会(株I・T・O ほか) |
背景
紀伊半島はその大部分を森林に覆われかつて林業が盛んであった地域である。吉野林業でその名を知られる吉野地域はその中心地でもあったが、国内の他の林業地と同じく、国産材利用不振から林業はかつての勢いもなく、森林は手入れが行き届かず、集落は高齢化・過疎化と、いわゆる中山間地の課題が山積する地域となっている。
そんな中、「東吉野村のシャッター通りをなんとかしたい」と東吉野村商工会議所からの呼びかけが昨年、奈良県の廃棄物処理業者である株式会社I・T・Oの社長にあった。「それなら、手入れのされていない森林の木材を使用した継続的な事業を立ち上げよう」と、関係各所に声がかけられ「紀伊半島の美しい森林づくり協議会」が平成21年末に立ち上がり、この事業の草案が練られた。森林を生かした木材製品もさまざまであるが、健全な森林に戻すためには、まず間伐材の使用を促進する必要がある。また、継続的に事業を実施するには、一時的な商品ではなく通常使われるものでなくてはならない。このふたつの用件を満たすのが、あらゆる事業活動に欠かせないOA用紙である。
こういった背景、目的により、東吉野村はじめ紀伊半島全域の間伐材でOA用紙を製造するという事業を、平成23年2月にはNPO法人化し、平成23年度から本格事業化を行う予定である。
事業概要
- 計画: OA用紙製造可能性調査(森林からの伐出からOA用紙製造、納品までの最適な流通経路とコストの算出、販売価格の設定、製造にあたって製紙会社が求める木材の品質、量、流通の調査、間伐材を搬出できる森林の確認、製品販売に必要なグリーン購入法の調達基準およびその適合性調査)。これらをふまえた形での全体事業計画の策定。
- 試行: 奈良県東吉野村から切り出した間伐材によりOA用紙を製造する
- 評価: 試行により明らかになった課題を整理し本格的実現に向けての体制構築
今後の展開
今回の事業での結果、計画をもとに、今後はNPO紀伊半島の美しい森林づくり協議会が、事業を実施していく。
すでに、OA用紙本格製造のために着々と準備がすすめられており、「やまのかみ」という紙の名前も決定している。